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3・サウナ状態の特急列車

 まずは、下の表−1を見てくれ。


表−1 新幹線と特急列車の発着時刻





 この表は、当時の東京駅から函館駅までの新幹線と、八戸からの特急列車の発着時刻を時刻表から抜粋し、簡潔にしたものだ。この表からみてもわかるように、東京を一番最初に出るはやて71号が八戸に到着する前に、函館に行く特急列車は発車してしまう。その後のつがる71号は青森止まりで北海道には上陸できない。函館にいけるのは、自然にはやて1号が到着した後に出るスーパー白鳥1号となる。だが、この写真−3を見てほしい。




写真−3 なんだこりゃ!



 エスカレータに群がる人、人、人!!もちろんここだけではない。階段もエレベータも満杯状態。東京方面から八戸までこれだけ大量の人が乗っていたのである。まさに通勤列車を彷彿させる。だが、ほとんどの乗客が青森方面に向かう様子(出口に向かっている人も少しはいたが。)である。すなわち、在来線のホームに停車している特急列車に乗るということだろう。
 ここで、表−1のデータを思い出して欲しい。東京から函館に行くとき、最初に北海道に入れるのはスーパー白鳥1号だ。つまり、この特急で函館に向かう人は、はやて71号+はやて1号を足した人数が乗るということである。不安材料はまだある。特急列車は6両編成で運転されるからである。はやては10両編成、私はスーパー白鳥の指定席券を持っていない。自由席→はやて71号の人がすでに座って満杯=立ち。
 不安材料の通り、車内は自由席からはみ出した人によって指定席の通路までもが人によって埋め尽くされた。「車内混雑のため、車掌室から出られないので検札は行なえません。どうかご了承ください。」と、いう放送が流れる始末。発車してからも、空調による暖房+人の体温による温度上昇×乗っている人数分によって車内はますます熱くなる。まさにサウナだ。



4・蟹田〜三厩・津軽半島冬景色

 サウナ状態の特急列車は、青森駅で大量に人が降りた効果か、従来の温度に戻りつつあった。そんな状態で蟹田駅に着いた私は、三厩(みんまやと読む)駅に向かうためにそこで、普通列車に乗り換えた。
 蟹田から函館寄りに1つ先に行くと中小国(なかおぐにと読む)と言う駅がある。ここから三厩に向かう津軽線、津軽海峡を通って函館に向かう津軽海峡線に分かれるのである。しかし、中小国駅には特急列車は止まらないため、実質、蟹田が分岐駅とも言えるだろう。津軽海峡が近いためか、気候の移り変わりが激しい。




写真−4 怪しい雲立ち




写真−5 雪が舞う津軽半島




写真−6 晴天の津軽半島



 写真−4〜6を見て、雪雲が瞬時に現れ、雪を降らせ、そして晴れる。それの繰り返しが非常に多く見られた。津軽海峡は海だけではなく、気候も通り道であるのだろう。




写真−7 三厩駅外観



 津軽線の終点・三厩駅には、写真−7のような立派な駅名表がある。駅の内装は至ってシンプル、灯油を使った暖房器具とちっちゃな窓口、そして到着時刻も記載されている時刻表があった。
 津軽線の津軽二股と言う駅をご存知だろうか。その駅に何かあるのか?そういうわけではないが、実は津軽海峡線の津軽今別駅と隣り合っているのだ。簡単に言えば、乗換駅だ。しかし、車内アナウンスでは、乗り換え路線の案内など一言も言わなかった。それはなぜか、理由は簡単。津軽今別に止まる列車の数が極端に少ないのだ。毎日、上下各線、1日2本のみ。ちょっとさみしい。




写真−8 津軽二股駅から見た津軽今別駅



5・そして函館に

 三厩から蟹田に戻り、再び津軽海峡線の特急列車に乗り、函館を目指す。




写真−9 右・三厩から乗ってきた気動車。左・青森から来た普通電車

 青函トンネルの通過する所要時間はどのくらいか?調べた所、約1時間10分強。トンネルを出ると、まさに北海道。真っ白な景色が出迎えてくれます。乗った特急列車は知内駅を通過したので、北海道に入って最初に止まった駅は木古内駅。この駅は江差線の江差方面と乗換えが出来る。木古内駅を出ると江差線に入り、五稜郭駅を通って函館に到着する。




写真−10 函館駅前




写真−11 雪の日でも人力車は稼働中




おわりに

 今回の旅の失敗点は、指定席券をきちんと確保できなかったことだ。そのため、変な疲労感があらわれた。きちんと確保できていれば、16時51分発の特急にも簡単に座ることができたであろう。事実、この特急列車に乗るために、50分も駅で並ぶ時間を函館の町の散策にあてられただろう。
 旅行の予定は一ヶ月前に決める。まさに先手必勝。それを思いながら、帰りの新幹線の中で、駅弁をつついていた。



おわり


 
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